はじめに:「起動しない!」と思ったときにまず確認すべきこと
Stable Diffusion Web UI(特にAUTOMATIC1111版)を導入した後に、
- 「何も起きない」
- 「黒い画面のまま止まる」
- 「エラーが出て終了する」
というケースはよくあります。これは環境設定ミス・不足ライブラリ・GPU非対応など、複数の要因が重なっている可能性があります。
よくある原因とその対処法【完全ガイド】
✅ 1. Pythonのバージョンが不適切
症状:
- 起動時に「Pythonのバージョンがサポートされていません」と表示
- 黒い画面(ターミナル)ですぐ停止
対処法:
- Python 3.10.x(特に3.10.6が安定)をインストール
python --version
で確認、複数バージョンが入っているときはパスの優先設定も見直す
✅ 2. Gitがインストールされていない
症状:
git is not recognized
というエラー- スクリプトのcloneが失敗する
対処法:
- Git公式サイトからインストール
- インストール後、PCを再起動してパスが通っているか確認(
git --version
)
✅ 3. GPUやCUDAの非対応/競合
症状:
- 起動後に「Torch not compiled with CUDA enabled」などのエラー
- CPUモードで動かそうとしてもエラーになる
対処法:
- NVIDIA製GPUを使っているか確認(AMDは別途対処が必要)
- CUDA 11.7 + cuDNN対応版を使う
- Web UI起動時に
--skip-torch-cuda-test
を試す - CPUモードで起動するには: cssコピーする編集する
webui-user.bat に --use-cpu all を追加
✅ 4. ライブラリの依存関係エラー
症状:
torch
,xformers
,gradio
などでImportError- 起動中に「No module named ○○」と出る
対処法:
- 仮想環境が壊れている場合、
venv
フォルダを削除して再起動 - 以下のコマンドを使ってライブラリ再インストール(Web UIフォルダ内で): bashコピーする編集する
pip install -r requirements.txt --upgrade
✅ 5. ポートが使用中で起動できない
症状:
- ブラウザで
localhost:7860
にアクセスしても接続エラー - 起動ログに「port 7860 already in use」と表示される
対処法:
- 他のアプリが7860番ポートを使っていないか確認(Jupyter Notebookなど)
webui-user.bat
に--port 7861
など別ポートを指定
✅ 6. 起動スクリプト(webui-user.bat)が編集されている/壊れている
対処法:
webui-user.bat
を初期状態に戻す- 以下のようにシンプルに書かれているか確認: batコピーする編集する
@echo off call webui.bat pause
番外編:Linux/Macユーザー向けの注意点
- シェルスクリプトに実行権限を付与:
chmod +x webui.sh
- Python仮想環境が正しく有効化されているか確認
pip install torch torchvision
を手動で行うと解決することもあり
トラブル時に役立つログの見方
起動しない場合は、黒い画面(ターミナル)の最後の数行をスクショまたはコピーしておくと、エラー原因の特定に役立ちます。
- 「ModuleNotFound」→ ライブラリ不足
- 「OSError」→ CUDAなどドライバ環境エラー
- 「RuntimeError」→ GPUメモリ不足や設定ミス
まとめ:まずは環境チェック→ログ確認→必要なら再インストール
トラブルの傾向 | 主な原因 | 最初に試すべきこと |
---|---|---|
起動しない(完全停止) | PythonやGit未インストール | 正しいバージョンの導入 |
エラーで強制終了 | ライブラリ・CUDA環境 | requirements.txt の再実行 |
ブラウザで開けない | ポート重複 or Firewall | ポート変更 / アンチウイルス確認 |
✅ 今すぐできるチェックリスト
- Python 3.10.x を使っているか?
- Git はインストールされているか?
- GPU・CUDAの対応状況は?
webui-user.bat
の記述は正常か?- ターミナルのログにエラーメッセージは出ているか?
必要であれば、エラーのログ内容をこちらに貼っていただければ個別診断も可能です!お気軽にどうぞ。